コンドロイチン硫酸オリゴ糖の抗炎症作用
マウスのコラーゲン関節炎モデルを用いたコンドロイチン硫酸オリゴ糖の機能性評価
コラーゲン関節炎の誘発
動物は検疫・馴化期間の一般状態に異常のみられなかった7週齢のDBA/1Jマウスを用いた。ウシⅡ型コラーゲンを50 mM 酢酸水溶液に2 mg/mLとなるように溶解(4℃,overnight)し,これに等量のFreund’s complete adjuvantを加えてエマルジョンを作製した。このエマルジョンを,26 Gの注射針を装着したロックつきガラスシリンジに充填し,イソフルランによる吸入麻酔下で,マウスの尾根部に0.1 mL(コラーゲン量として0.1 mg)皮内投与した。3週間後,同様に投与を行い関節炎を惹起させた。
1.1 被験物質の調製及び投与
各被験物質は混餌飼料として4週間自由摂取させた。各試験群には、コンドロイチン硫酸オリゴ糖低用量群(0.125 w/w%コンドロイチン硫酸オリゴ糖添加飼料)、コンドロイチン硫酸オリゴ糖高用量群(0.5w/w%コンドロイチン硫酸オリゴ糖添加飼料)、高分子コンドロイチン硫酸群(0.5 w/w%のコンドロイチン硫酸添加飼料)とした。
1.2 摂餌量の測定
投与期間中に1回/週の頻度で餌重量を測定し,給餌量から残餌量を差し引き,1ケージあたりの動物数で割ったものを摂餌量とした。
1.3 体重測定検疫終了後
から1回/週の頻度で体重測定を行った。
スコア | 症状 |
0 | 症状なし |
1 | 指など小関節1本の軽度発赤腫脹 |
2 | 小関節が2本以上,あるいは大きな関節の発赤腫脹 |
3 | 1肢の発赤腫脹 |
4 | 1肢の全体が最大限に発赤腫脹 |
1.4 関節炎症状の肉眼観察(関節炎スコアの評価)
惹起日より四肢における関節炎の症状について,垣本ら1)のスコアに準じ,3回/週(月・水・金)の頻度で評価を行い,四肢のスコアの合計値を算出した。また,群分け後は,各群の代表例(合計スコアが群の平均を示す動物)について,1回/週の頻度で原則として左後肢の写真を撮影した。
1.5 統計処理
得られた数値は,各群で平均値及び標準誤差を算出した。
各群間の有意差は,関節炎スコアについては,Mann-WhitneyのU検定によりそれぞれ各群間の比較を行い.摂餌量及び体重については,Bartlett法により等分散性の検定を行い,等分散の場合は更に一元配置分散分析を行い,有意な場合はDunnettの多重比較検定を行った。Bartlett法,Dunnettの多重比較検定,Steelの多重比較検定及びMann-WhitneyのU検定については有意水準を危険率5%及び1%とした。
