マイクロ化学プロセスとは
微小空間で化学反応をさせる方法を総称してマイクロ化学プロセスと言います。コンドロイチン硫酸オリゴ糖の製造で我々が用いたのは、亜臨界状態にある高温高圧水を用いて連続的に高分子コンドロイチン硫酸のベータグリコシド結合を切断し、コンドロイチン硫酸オリゴ糖とする方法です。
経口利用におけるGAGの問題点
コンドロイチン硫酸のベータグリコシド結合(β-1,3 / β-1,4結合)は、ヒトの消化酵素で分解できません。しかしながら、高分子のコンドロイチン硫酸は広く経口の医薬品や健康食品として販売されています。これはいったいどういうことでしょうか?
高分子コンドロイチンはほとんど吸収されないのに、経口摂取で生理的効果が期待できるのか?
との疑問は、多くの人が抱いていた疑問であり、この課題を何とかクリアし経口摂取で吸収されるコンドロイチン硫酸オリゴ糖を開発したいと、多くの研究者が考えていました。
そうして、いくつかの方法(酵素分解法、酸分解法など)が考案されましたが、実験室での利用を除いて、結局実用化はされていませんでした。

亜臨界水による解決方法
2006年からスタートした、産学官連携による我々の研究チームは実に6年間に渡る研究開発の後、ついにコンドロイチン硫酸オリゴ糖の大量生産方法の開発に成功し、特許を取得しました。
この方法による低分子化反応は、非常にすぐれた特性を持ちます。
1、基本的に水だけで反応させることが出来るので、環境にやさしい。
2、反応条件を厳密に制御できるので、副生成物を最小限に抑える事ができる。
3、反応条件を変えることによって、目的とする分子量のコンドロイチン硫酸オリゴ糖を得る事ができる。
4、低コストで大量生産が可能である。

製造プラントの実用化と量産
札幌市にファインケミカル研究所を開設し、マイクロ化学プロセス処理によるコンドロイチン硫酸オリゴ糖の量産を開始しました。